初心者向けギターの選び方|アコギ・エレキ・サイズと予算

初めてギターを買うときは、アコースティックギターとエレキギターのどちらにするか、サイズや値段はどの程度がよいかなど、判断に迷うものです。見た目や価格だけで選ぶと、弾きたい曲に合わない、手が届きにくい、調整が必要で練習を始められない、といったことが起こります。

この記事の結論

初心者向けギターは、①弾きたい音楽 ②抱えやすさ・握りやすさ ③弦の押さえやすさ ④本体の状態 ⑤付属品を含めた総予算の順で選ぶと失敗を減らせます。

最優先は「初心者用」と書かれていることより、自分が弾きたい曲に合い、無理なく練習を続けられる一本であること。可能なら楽器店で実際に構え、試奏や状態確認を手伝ってもらいましょう。

この記事では、ギターの種類ごとの向き不向き、試奏時の確認方法、初心者セットと中古品の注意点までを整理します。特定メーカーのランキングではなく、購入前に使えるチェック基準を紹介します。

最初にアコギとエレキ、どちらを弾きたいか決める

ギターは大きく分けて、弦と本体の響きで音を出すアコースティックギターと、ピックアップで拾った音をアンプなどから出すエレキギターがあります。どちらが初心者に必ず簡単、というわけではありません。好きな曲と練習環境で選びましょう。

比較項目アコースティックギターエレキギター
向いている演奏弾き語り、アコースティックな伴奏ロック、バンド演奏、エフェクトを使う演奏
音の出し方本体の生音が基本アンプや対応機器で音を作る
練習環境生音の音量が出やすいヘッドホン対応機器を使えるが、弦の生音は残る
必要な用品チューナー、ケースなど左記に加えアンプ等やケーブルが必要な場合がある
購入前の注意ボディの厚み、弦の張り、音量重さ、電装部、アンプとの接続

なお、アコースティックギターにもスチール弦のタイプと、ナイロン弦を使うクラシックギターがあります。ナイロン弦は指先の感触が異なり、ネック幅も異なる傾向があります。スチール弦用とナイロン弦用では構造が違うため、弦を勝手に交換して代用しないでください。

POINT

「エレキのほうが指が楽そう」「アコギは機材が不要だから安い」といった一つの特徴だけで決めず、好きなアーティストの音色と、自宅で出せる音量の両方を確認しましょう。

初心者が失敗しないための5つのチェックポイント

1.楽器の大きさは身長だけでなく構えた感覚で選ぶ

小柄な人でも標準サイズが弾ける場合がありますし、身長が高くても大きいボディが窮屈に感じることがあります。座ってギターを構えたときに肩が上がらず、右腕が自然に届き、左手でネックを無理なく支えられるかが重要です。

  • 座った状態でギターがぐらつかないか
  • 右肩を強く持ち上げずに弦へ手が届くか
  • 左手首を極端に曲げなくても低いポジションへ届くか
  • 立奏したい場合はストラップを使っても扱いやすいか

小ぶりなアコギやショートスケールのエレキは候補になりますが、音の響き、弦の感触、チューニングの傾向も変わります。サイズだけで決めるのではなく、使用感を比較してください。

2.弦高と押さえやすさを確認する

弦高とは、弦とフレットの間の距離を指す言葉です。弦が高すぎると押さえる力が必要になり、初心者はコード練習で苦労しやすくなります。一方、低すぎると弾き方や調整状態によってビリつくこともあります。

店頭では開放弦と数か所のフレットを弾き、過度な力を使わずに音が出るか、特定の場所だけ極端に弾きにくくないかを確かめましょう。自分で判断しにくければ、店員に「初心者でも押さえやすい状態か」「購入時に調整してもらえるか」を質問すると具体的です。

3.音程・チューニングが安定するか確かめる

チューニングを合わせてもすぐにずれたり、特定のフレットだけ音程に違和感があったりすると、練習の成果を確かめにくくなります。新品の弦は伸びによってずれることがありますが、それだけで問題の有無は判断できません。

  • ペグ(糸巻き)が極端に固い、または空回りしないか
  • 開放弦と押さえた音が不自然にずれて聞こえないか
  • 強く弾くと特定箇所だけ異音が出ないか
  • 新品でも出荷時の調整状態を確認できるか

試奏が難しい場合は、店員に標準的なコードを弾いてもらう方法でも確認できます。

4.本体やパーツに問題がないか確認する

見た目の小さな傷と、演奏や安全に影響する不具合は分けて考えましょう。新品・中古を問わず、ネックの状態、フレットの摩耗、接合部の割れ、ペグの動作などは重要です。エレキなら端子やノブを動かしたときの接触不良も確認します。

木部の割れ、ネックの大きな反り、フレットの深い摩耗などは修理費がかかることがあります。状態が分からない場合は、購入前に修理・調整の見積もりを相談しましょう。

5.本体価格ではなく使い始めるまでの総額で考える

ギター本体が予算内でも、必要な道具がないと練習を始められない場合があります。ケース、チューナー、予備弦、ピック、ストラップ、スタンドなどが必要かを整理しましょう。エレキの場合はアンプやヘッドホン対応機器、対応ケーブルも確認します。

価格は購入時期・販売店・付属品・調整内容によって変わります。「初心者セットだからお得」と決めるのではなく、自分が実際に使う用品だけで総額を比較することが大切です。

予算や目的に合わせた選び分け

自分に近い条件から絞る
弾き語りを中心に楽しみたい

スチール弦のアコースティックギターを候補に。歌声とのバランスや、自宅で出せる音量を確かめます。

バンドのロックやエレキの音を出したい

エレキギターを候補に。アンプ等を含む練習環境を先に整え、重量やネックの握りやすさも確認します。

手が小さい・大きなボディが負担

小ぶりなボディやスケール違いのモデルを比較。ただし弾き心地は個体差があるため、実際に構えて確認します。

予算を抑えて始めたい

本体だけの安さより、状態・購入後の調整・保証・必需品を含めて比較。中古品は修理費も見込みます。

楽器店で迷わず選ぶための試奏5ステップ

まだ一曲も弾けなくても、ギターの扱いやすさは確かめられます。次の順に確認すれば、店頭で聞くことを整理できます。

STEP 1|候補を2〜3本に絞る

弾きたいジャンルと総予算、使う場所を伝え、異なるサイズやタイプを比較します。

STEP 2|座って構える

右腕・左手首・肩の位置を確認。痛みや強い違和感があるものは候補から外すか持ち方を相談します。

STEP 3|開放弦と簡単な押弦を試す

チューニングした状態で一本ずつ鳴らし、押さえやすさや異音を確認します。弾けなければ店員に実演を頼みましょう。

STEP 4|状態と調整を質問する

弦高やネックの状態、購入時調整の有無、初期不良時の対応、保証範囲を確認します。

STEP 5|必要な用品込みで見積もる

本体のほか、ケース・チューナー・エレキ用機器などを確認し、持ち帰り後すぐ練習できるか判断します。

初心者セット・通販・中古ギターの注意点

初心者セットは中身で判断する

チューナーやケースなどが付属するセットは便利ですが、用品の品質や互換性は一律ではありません。特にエレキのセットでは、アンプやケーブルの仕様が目的に合うかを確認してください。使わない付属品が多いなら、必要な用品を個別にそろえる選択肢もあります。

通販は返品条件と調整状況を先に調べる

通販では実際に構えられません。型番、サイズ、重量、付属品、保証、初期不良時の連絡先、返品・交換条件、到着時の調整状態を販売ページで確認してください。写真だけではネックの反りや弾き心地は分かりません。

中古は「本体価格+状態確認+修理費」で比べる

中古ギターには価格面の魅力がある一方、ネック、フレット、ペグ、電装部などの状態に差があります。保証や返品条件が明確で、必要に応じて調整を頼める店舗は初心者にとって検討しやすい選択肢です。個人間取引では状態説明と実物が異なるリスクも考慮しましょう。

注意してほしいこと

弦高やネックを自分で無理に調整すると、状態を悪化させる場合があります。購入直後に音が詰まる、弦を押さえるのが極端に難しい、電装が不安定などの症状があれば、まず販売店や修理技術者に相談しましょう。

購入前の最終チェックリスト

  • 弾きたい曲やジャンルに種類が合っている
  • 座って構えても肩・腕・手首に無理がない
  • 弦を押さえやすく、特定箇所で極端な異音がない
  • ペグ、ネック、フレット、接合部の状態を確認した
  • エレキなら接続端子や音出しも確認した
  • ギター本体と必要な用品の合計金額を把握した
  • 購入時の調整、保証、返品・初期不良対応を確認した
  • 練習する場所の音量や保管場所を考えた
判断に迷ったときの目安

候補が二本で迷ったら、デザインや付属品の多さより「構えやすく、押さえやすく、演奏状態を確認できたか」を優先します。これは編集上の判断目安であり、特定モデルの品質を保証するものではありません。

よくある質問

最初は安いギターでも大丈夫?

価格が低くても、適切に調整されていて音程や弾き心地に問題がなければ練習を始められます。ただし価格だけでは状態を判断できません。試奏、調整の有無、保証の内容をあわせて確認しましょう。

ギターを弾けなくても試奏は必要?

はい。構えたときの大きさや重量、ネックの握りやすさは初心者でも確かめられます。音の確認は店員にお願いして構いません。

最初から高級なギターを買うべき?

高価格帯が必須ということはありません。長く使うことを見込んで選ぶなら、好みの音や弾き心地に加え、購入後のメンテナンスや保証も検討材料です。予算を圧迫して必要な用品や練習環境を用意できなくなるなら、購入計画を見直しましょう。

まとめ|初心者向けギターの選び方は「続けやすさ」が基準

最終結論

初心者がギター選びで失敗しないためには、弾きたい音楽に合う種類を選び、実際に構えた感覚・弦の押さえやすさ・本体の状態を確認することが重要です。セット内容や見た目、値札だけで決める必要はありません。

まず「弾きたい曲・練習場所・用品込みの予算」を決め、店頭で候補を2〜3本比較する。

購入前に調整と保証まで確認できれば、練習を始めてからの余計なつまずきを減らしやすくなります。