ギターを始めたばかりだと、「コードは何個覚えればいい?」「CやGが難しくて音が出ない」と迷いやすいものです。最初からコード一覧を丸暗記する必要はありません。少ない種類を正しく押さえて、次のコードへ移る練習を重ねる方が、弾き語りや曲の伴奏につなげやすくなります。
ギター初心者は、まずEm → Am → C → G → Dの5つを練習するのがおすすめです。余裕が出たらEとAを加え、合計7つを最初の目標にしましょう。
順番は「1つずつ音を確認する → 2つのコードを往復する → 4拍ずつつなぐ」。形を覚えるだけでなく、必要な弦だけをきれいに鳴らせることが大切です。
ここでは標準的なチューニング(6弦からE・A・D・G・B・E)を前提に、アコースティックギターでもエレキギターでも使える基本のオープンコードを紹介します。
最初に覚えたい7つのコードと優先順位
「オープンコード」とは、押さえていない開放弦も使うコードのことです。初心者は、まずフレットを押さえる指が少ない形から始めると、音の出し方を確認しやすくなります。
| 順番 | コード | 練習の狙い | 最初の難しさ |
|---|---|---|---|
| 1 | Em(イーマイナー) | 2本の指で音を鳴らす | 比較的取り組みやすい |
| 2 | Am(エーマイナー) | 3本の指を並べる | 指の接触に注意 |
| 3 | C(シー) | 弦をまたいで押さえる | 指を立てる必要がある |
| 4 | G(ジー) | 離れた弦へ指を置く | 指の移動が大きい |
| 5 | D(ディー) | 狭い範囲で3本の指を使う | 1弦の音が詰まりやすい |
| 6 | E(イー) | Amに似た形を使う | 指の配置を覚える |
| 7 | A(エー) | 同じフレットに3本置く | 指先のスペースが狭い |
上の順番は編集上の練習例です。目指す曲に使われるコードが分かっているなら、そこで必要な2〜3種類を優先して構いません。
コード表の読み方を先に覚えよう
次の表記は、6弦(太い弦)から1弦(細い弦)の順に並べています。数字は押さえるフレットの位置です。
- 0:弦を押さえずに鳴らす(開放弦)
- 1・2・3:それぞれ1・2・3フレットを押さえる
- ×:そのコードでは弾かない弦
左手の指番号は人差し指=1、中指=2、薬指=3、小指=4とします。下記は代表的な押さえ方の一例であり、手の大きさや演奏スタイルに応じて別の指使いが使われることもあります。
7つの基本コードの押さえ方
Em|最初に音をそろえる練習
6弦から:0・2・2・0・0・0。中指で5弦2フレット、薬指で4弦2フレットを押さえ、6本すべてを鳴らします。
最初は低い6弦から1本ずつ弾き、5弦と4弦が詰まらず響くか確認しましょう。
Am|指を並べる感覚を覚える
6弦から:×・0・2・2・1・0。中指で4弦2フレット、薬指で3弦2フレット、人差し指で2弦1フレットを押さえます。5弦から1弦までを弾き、6弦は避けます。
特に1弦が隣の指に触れて音が消えていないかを確認してください。
C|よく使う基本の形
6弦から:×・3・2・0・1・0。薬指で5弦3フレット、中指で4弦2フレット、人差し指で2弦1フレットを押さえます。5弦から弾きます。
3弦と1弦は開放弦です。指の腹が触れていないか、弦を1本ずつ鳴らして確かめましょう。
G|離れた弦の押さえ方に慣れる
6弦から:3・2・0・0・0・3。中指で6弦3フレット、人差し指で5弦2フレット、薬指で1弦3フレットを押さえる形です。6本すべてを弾きます。
Gには複数の一般的な押さえ方があります。最初はこの3本指の形を使い、指が届きにくければ手首や親指の位置を無理のない範囲で見直しましょう。
D|細い4本の弦を鳴らす
6弦から:×・×・0・2・3・2。人差し指で3弦2フレット、薬指で2弦3フレット、中指で1弦2フレットを押さえます。4弦から1弦までを鳴らします。
6弦・5弦は基本的に弾きません。まず4弦だけを狙って弾き始めると、不要な低音を混ぜにくくなります。
E|Amと形を比べる
6弦から:0・2・2・1・0・0。中指で5弦2フレット、薬指で4弦2フレット、人差し指で3弦1フレットを押さえます。6本すべてを鳴らします。
Amの指の並びに似ているため、2つを比べると形を覚える助けになります。ただし押さえる弦は違うので、位置を確認してから動かしましょう。
A|3本の指を近づけて置く
6弦から:×・0・2・2・2・0。人差し指で4弦2フレット、中指で3弦2フレット、薬指で2弦2フレットを押さえる一例です。5弦から弾きます。
同じフレットに指が集まるため、互いに押し合わないように注意します。窮屈な場合は指使いを変更しても構いません。1弦の開放音が鳴るかを確認しましょう。
フレットの真上ではなく少し手前(ヘッド側)を指先で押さえると、必要以上に強い力を使わず音が出やすくなります。手首や指に痛みが出る場合は練習を中断し、姿勢と楽器の状態を見直してください。
コードを覚える練習は「単音確認→往復→4拍」
指の位置を覚えた後は、実際に切り替えて弾く練習へ進みます。以下の時間配分は練習メニューの一例であり、この時間で必ず弾けるようになるという意味ではありません。
EmとAmを押さえ、弾く弦を1本ずつ鳴らします。音が詰まれば、隣の指が触れていないか、押さえる位置が離れすぎていないか確認します。
まずEm ⇄ Amをゆっくり往復します。次にC ⇄ G、G ⇄ Dを試します。速さより、移動後に必要な指が置けていることを優先します。
「1・2・3・4」と数え、1拍目でコードを鳴らし、残りの拍で響きを聴きます。Em → Am → C → Gをつなぎ、止まらず循環できるか試します。
コードを切り替えられるようになったら、4拍それぞれで下向きに弾いてみます。まだ難しい場合は1拍目だけ弾く練習に戻って構いません。
コードチェンジを滑らかにする3つのコツ
次に置く指の位置を先に決める
コードを変える前に「次は何弦の何フレットか」を把握しておきます。すべての指を一気に置けなくても、基準となる指を先に動かす練習が役立ちます。
一度力を緩めてから移動する
弦を強く押したまま横に引きずると、移動が遅くなりやすく、余計な摩擦も生まれます。移動時はいったん押さえる力を緩め、次の形へ移ります。
テンポは「確実に押さえられる速さ」にする
速さを上げて音が詰まるなら、テンポを落とします。メトロノームを使う場合も、速い数値を目指すのではなく、正しいコードと拍の位置が安定しているかを確認しましょう。
音が鳴らないときの原因別チェック
| 症状 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 音がビリビリする | フレットから指が遠くないか | 押さえる位置をフレットの少し手前に寄せる |
| 開放弦が鳴らない | 隣の指が弦に触れていないか | 指先の角度を少し調整する |
| 一部の低音が不自然 | C・Am・Dなどで不要な弦を弾いていないか | コードごとの弾き始める弦を確認する |
| すぐ手が疲れる | 親指や手首に力が入りすぎていないか | 握り込みを緩め、短い休憩を挟む |
| どのコードも鳴りにくい | チューニングや弦高が適切か | チューニングを確認し、必要なら楽器店で点検する |
一度にすべて修正しようとせず、鳴らない弦を1本に絞って原因を確認すると、改善点が分かりやすくなります。
次のコードへ進む判断基準
- 必要な弦を1本ずつ鳴らして、音の詰まりに気づける
- 2種類のコードを、止まって確認しながらでも切り替えられる
- コードごとの「弾かない弦」を意識できる
- 毎回どの指を置くか分からなくなる
- 弦が鳴らない原因をまだ見つけられない
- 力みが強く、手に痛みや違和感がある
7つを完全に暗記するまで曲を弾いてはいけない、ということではありません。好きな曲の中にEmやGが出てきたら、その部分だけ練習しても大丈夫です。
初心者がよく迷うこと
Fコードは最初から覚えた方がいい?
Fは人差し指で複数の弦を押さえるバレーコードの形がよく使われます。基本のオープンコードがまだ不安定なら、Fを急ぐ必要はありません。まずEm・Am・C・G・Dを使って切り替える動きを覚えましょう。
コード名と指の形のどちらを覚える?
両方を少しずつ結びつけるのがよい方法です。「Em」と見たら押さえる場所が思い浮かび、実際に鳴らせる状態を目指します。最初から構成音まで暗記する必要はありません。
アコギとエレキで覚えるコードは違う?
標準チューニングの6弦ギターであれば、今回の基本コードの押さえる位置は共通です。ただし弦の太さや楽器の調整状態によって弾きやすさは異なります。
最終結論|最初はEm・Am・C・G・Dから
ギター初心者が最初に覚えるコードは、Em・Am・C・G・Dの5つから始め、弾けるようになったらE・Aを加えるのがおすすめです。
音が詰まるときは速さより指先の位置を優先し、必要な弦を鳴らせるようになったら4拍ずつつなぐ練習へ進みます。まずは「少ないコードを確実に切り替える」ことを目標にしてください。