五線譜の読み方|線と間の音符・音の高さを覚える手順

五線譜を見ても、「音符がどの音なのかわからない」「線の上と間で音がどう変わるのか」「音の高さは読めてもリズムがわからない」と感じることがあります。五線譜は、すべての記号を一度に覚える必要はありません。まず音の高さを読む規則と音の長さを読む規則を分けると理解しやすくなります。

この記事の結論

五線譜は、①音部記号を確認する → ②音符の上下位置から音の高さを読む → ③音符の形から長さを読む → ④拍子と小節に合わせて数えるの順に読めば理解できます。

最初はト音記号の五線で、下から「ミ・ソ・シ・レ・ファ」が線上、「ファ・ラ・ド・ミ」が線と線の間にあることを覚えましょう。

この記事では、五線の上下、ト音記号・ヘ音記号、音符と休符、拍子、調号・臨時記号まで、実際に楽譜を追うときの順番で解説します。最後に、答え合わせができる読み取り練習も用意しました。

五線譜は何を表している?最初に見る4つの要素

五線譜とは、5本の平行な線と、その間の空間に音符や記号を置いて、演奏する音を示す記譜法です。縦の位置は基本的に音の高さを、音符や休符の形は音を出す長さ・休む長さを示します。

  • 音部記号:どの高さの音を五線のどこに置くかを決める。
  • 音符の位置:線上・線間のどこにあるかで音名を判断する。
  • 音符・休符の形:音の長さと休む長さを表す。
  • 拍子記号・小節線:拍のまとまりを確認する。
POINT

音符が右側にあるから高い音、というわけではありません。五線上では、上に置かれた音符ほど高い音になります。左右の並びは演奏する順序を示しますが、音符同士の横幅だけで長さは決まりません。

ト音記号の五線譜の読み方|線と間の音を覚える

ト音記号は、ピアノの右手の楽譜、歌の旋律、バイオリン、フルートなどでよく使われます。五線の線は下から第1線〜第5線と数え、線と線の間は下から第1間〜第4間と数えます。

線上の音は「ミ・ソ・シ・レ・ファ」

位置音名(ドレミ)英語音名
第5線(いちばん上)ファF5
第4線レD5
第3線シB4
第2線ソG4
第1線(いちばん下)ミE4

ト音記号の渦巻きの中心が囲む第2線は「ソ」です。ここを基準にして、1つ上の間はラ、1つ下の間はファと、1段ずつ数えられます。

線と線の間は「ファ・ラ・ド・ミ」

位置音名(ドレミ)英語音名
第4間(いちばん上の間)ミE5
第3間ドC5
第2間ラA4
第1間(いちばん下の間)ファF4

線→間→線と1段移動するごとに、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの音名が1つ進みます。最初から9つの位置を丸暗記するより、第2線のソと第3間のドを目印にして上下を数える方法が実践的です。

五線からはみ出す音は加線で読む

5本の線より上や下の音を書くときは、音符の位置に短い横線を足します。これを加線と呼びます。

  • ト音記号の第1線「ミ」のすぐ下の間:レ4
  • その下の第1加線:中央のド(C4)
  • ト音記号の第5線「ファ」のすぐ上の間:ソ5
  • その上の第1加線:ラ5

加線が増えても規則は同じです。線と間を交互に数えていけば、五線の外側の音も読めます。

ヘ音記号の五線譜は何が違う?

ヘ音記号は、ピアノ左手の楽譜やチェロ、低音域のパートなどによく使われます。同じ五線上の位置でも、ト音記号とヘ音記号では表す音が違います。五線譜を読む前に、左端の記号を必ず確認してください。

位置ト音記号ヘ音記号
第5線ファ5ラ3
第4線レ5ファ3
第3線シ4レ3
第2線ソ4シ2
第1線ミ4ソ2

ヘ音記号の2つの点の間にある第4線は「ファ」です。ここを覚えると、上の間はソ、下の間はミ、と順番に読めます。ヘ音記号の線間は下から「ラ・ド・ミ・ソ」です。

ピアノの大譜表を読むとき

右手のト音記号の五線と左手のヘ音記号の五線が縦に並ぶことがあります。中央のド(C4)は、ト音記号では五線の下の第1加線、ヘ音記号では五線の上の第1加線に書けます。左右の譜表をつなぐ目印として覚えると便利です。

音符の形で音の長さを読む

音の高さが読めても、長さがわからないと曲になりません。最初は四分音符を「1拍」と数える一般的な練習の仕方を基準にします。実際の拍の単位は拍子記号や演奏上の数え方によって異なります。

音符四分音符を1拍とした長さ見分ける手がかり
全音符4拍分白い楕円、符尾なし
二分音符2拍分白い音符の頭+符尾
四分音符1拍分黒い音符の頭+符尾
八分音符1/2拍分黒い頭+符尾と旗1本(または連桁1本)
十六分音符1/4拍分黒い頭+旗2本(または連桁2本)

例えば4/4拍子なら、四分音符4つで1小節分です。二分音符1つと四分音符2つでも、合計は4拍分になります。

休符・付点・タイも忘れずに

  • 休符:音を出さずに休む記号。四分休符なら四分音符と同じ長さの休みです。
  • 付点音符:元の音符の長さに、その半分を加えます。付点二分音符は3拍分、付点四分音符は1.5拍分です。
  • タイ:同じ高さの音符を弧線でつなぎ、音を途切れさせず長さを足します。
  • スラー:異なる音などをなめらかに演奏することを示します。タイと違い、各音を通常どおり区別して読みます。
音符の見た目で間違えやすい点

音符の棒(符尾)が上向きでも下向きでも、同じ種類の音符なら長さは変わりません。また、音符が横に離れているから長いとは限らず、長さは音符と休符の形・付点・タイなどで判断します。

拍子記号と小節線を読んでリズムをつかむ

楽譜の冒頭には、音部記号や調号のあとに4/4、3/4などの拍子記号が書かれます。一般的な分数型の拍子記号では、下の数字が基準となる音符の種類、上の数字が1小節に入るその音符の個数を示します。

拍子基本的な意味初心者向けの数え方
4/4拍子四分音符4つ分が1小節1・2・3・4
3/4拍子四分音符3つ分が1小節1・2・3
2/4拍子四分音符2つ分が1小節1・2
6/8拍子八分音符6つ分が1小節1〜6を数える。多くの場合は3つずつの2まとまりで感じる

縦の小節線は拍のまとまりを区切る線です。音符を読むときは、まず1小節の合計が拍子に合うか確認しましょう。なお、曲の冒頭に弱起(アウフタクト)がある場合など、最初の小節が通常より短い例外もあります。

シャープ・フラットと調号の読み方

ドレミの位置を読めるようになったら、音の高さを半音変える記号を確認します。

  • シャープ(♯):その音を半音高くする。
  • フラット(♭):その音を半音低くする。
  • ナチュラル(♮):シャープやフラットなどで変えられた音を、幹音の高さに戻す。

音部記号の後、拍子記号の前に並ぶシャープやフラットは調号です。その調で指定される音名に、原則としてオクターブを問わず適用します。

音符の直前に付くものは臨時記号です。一般的な記譜では同じ小節内の同じ高さの音に効き、小節線を越えると通常は効力が切れます。ただしタイでつながる音などには例外があります。

POINT

五線譜の位置から「ファ」と読めても、調号にファ♯があれば実際に鳴らす音はファ♯です。音名を読む → 調号を見る → 必要なら臨時記号を反映するの順で確認します。

初めての五線譜を読む5ステップ

音部記号からリズムまで一度に見ようとすると混乱しやすいため、読み取る順番を固定します。

STEP 1|音部記号を確認する

ト音記号なら第2線がソ、ヘ音記号なら第4線がファです。基準の音を決めてから進みます。

STEP 2|音符の高さを1つずつ読む

音符が線上か線間かを見て、基準音からドレミを数えます。加線があれば、その分も含めて数えます。

STEP 3|調号と臨時記号を確認する

シャープやフラットの有無を見て、鳴らす高さを確定します。

STEP 4|音符と休符の長さを読む

四分音符を1としたときの長さを書き出します。付点やタイもここで確認します。

STEP 5|拍を数えながら口に出す

楽器を持つ前に、手拍子で拍を取りながら「ド・レ・ミ」などと読み上げます。音の高さとリズムを別々に確認してから合わせるのがコツです。

読めるか確かめるミニ練習問題

紙に五線を描き、音部記号をト音記号にしてください。以下の位置に四分音符を1つずつ書いたつもりで、音名を順に答えてみましょう。調号と臨時記号はないものとします。

問題と答え合わせ
問題1|五線の中の4音

第1線 → 第1間 → 第2線 → 第2間

答え:ミ → ファ → ソ → ラ

問題2|基準のドをはさむ4音

第3間 → 第3線 → 第2間 → 第2線

答え:ド → シ → ラ → ソ

問題3|五線の外側

五線の下の第1加線 → 第1線のすぐ下の間 → 第1線

答え:ド(中央のド) → レ → ミ

問題4|4/4拍子の長さ

二分音符1つ+四分音符1つ+四分休符1つ

答え:2拍分+1拍分+1拍分=合計4拍分。1小節に収まります。

答えを見ずに音名を言えたら、次は五線を自分で書き、指定された音を音符で書いてみてください。読む練習と書く練習を往復すると、線と間の位置を確かめられます。

五線譜が読めないときの原因別チェック

困っていること確認する点対処方法
同じ位置なのに音名が違う音部記号が違わないかト音記号・ヘ音記号を先に判別する
五線の外側が読めない加線を数え飛ばしていないか線と間を交互に1段ずつ数える
音名はわかるが演奏すると違う音になる調号・臨時記号半音の変化を確認する
音の長さが合わない付点・休符・タイの見落としまず1小節の拍数を書き出す
音を読むのに時間がかかる毎回いちばん下から数えていないかソやドなど複数の基準点を覚える

最初は速く読む必要はありません。読んだ音名が正しいか、1小節の長さが合っているかを確認しながら、短い譜例を繰り返す方が実用的です。

五線譜を読めるようになるには何から練習する?

まず、ト音記号の五線を紙に描き、第1線ミ・第2線ソ・第3間ドに音符を書き込みましょう。その周囲の音を線と間で1段ずつ数えたら、四分音符4つの簡単な4/4拍子の小節を作り、手拍子で読み上げてみます。

ヘ音記号も必要な人は、第4線ファを基準に同じ練習を追加します。時間の目安を設けるなら、編集上の練習例として短い譜例を1回5分ほど読む方法がありますが、上達に必要な日数を保証するものではありません。

最終結論

五線譜の読み方は、音部記号で基準を決め、線・間・加線から音の高さを読み、音符の形と拍子で長さを読むことが基本です。

今日の最初の練習は、ト音記号の「ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を五線の下から順に書き、声に出して読むこと。

位置が迷わず読めるようになったら、四分音符や休符を使って1小節を作り、音名と拍を一緒に追ってみましょう。