8ビートは叩けるようになったのに、曲の区切りでフィルインを入れようとするとテンポが乱れたり、次の小節に戻れなくなったりしませんか。フィルインは手数を増やす前に、入る位置と戻る位置を覚えることが大切です。
ドラムのフィルインは、8ビートを続ける → 小節の最後の1拍だけフィルインに替える → 次の小節の「1」で元のビートに戻る順で練習するのがおすすめです。
まずは4拍目をスネアで「タン・タン」と2回叩くだけで十分です。派手なタム回しや速い16分音符より、拍を保って戻れることを優先しましょう。
この記事では、4分の4拍子・8ビートを基本に、初心者が今日から試せるフィルインの具体例、練習手順、失敗の直し方を紹介します。譜面に慣れていない方にも分かるよう、拍の数え方を併記します。
目次
フィルインとは?最初は「曲の区切りを作る短いフレーズ」
フィルインとは、普段繰り返しているビートの一部に変化をつけ、曲の区切りや展開を示す演奏です。ドラムではスネアやタムを使った短いフレーズがよく用いられます。
たとえば4分の4拍子なら「1・2・3・4」で1小節です。4拍目をフィルインに替えても、小節が5拍に増えるわけではありません。4拍目が終わったら、次は新しい小節の1拍目です。
| 位置 | 演奏すること | 意識する点 |
|---|---|---|
| 1〜3拍目 | いつもの8ビート | 拍を一定に保つ |
| 4拍目 | 短いフィルイン | 4拍目の中で終える |
| 次の1拍目 | 8ビートに戻る | バスドラムなどで「1」を明確にする |
フィルインの上手さは「何回叩けるか」だけでは決まりません。演奏の流れを止めず、次の1拍目を正しいタイミングで迎えられるかが最初の確認ポイントです。
練習前に確認する3つのこと
1.8ビートを4小節続けて叩けるか
まずフィルインなしで8ビートを繰り返し、4小節分の拍を数えてみてください。途中で拍を見失う場合は、フィルインを入れる前に基本ビートをゆっくり安定させます。
2.「1と2と3と4と」を声に出せるか
1拍を2つに分けた8分音符の数え方です。「4と」の後に「1」が来る流れを手拍子で確認しましょう。声が追いつかない速さでは練習しないでください。
3.スネアとタムに無理なく手が届くか
スティックを持った腕を大きく伸ばさなくても叩けるよう、イスの高さやドラムの配置を確認します。肩や手首が痛む場合は無理に続けず、フォームや配置を見直してください。
最初に覚えるフィルイン3パターン
以下の例はすべて4分の4拍子の最後の4拍目に入れるものです。最初の1〜3拍目は普段の8ビートを続けます。スティックの右・左は基本例であり、利き手やセットの配置に合わせて調整して構いません。
パターンA|スネアで8分音符を2回
「1と2と3と4と」の「4」で右手、「と」で左手を使い、スネアを2回叩きます。4拍目のハイハットなどは、最初はこの2打に置き換えると整理しやすくなります。
- 1〜3拍目:8ビート
- 4拍目:「4・と」でスネアを2回(右・左)
- 次の1拍目:バスドラムを鳴らし、8ビートに戻る
2打の間隔が均等か、4拍目を叩き終えた後に余分な間を作っていないかを確認します。
パターンB|スネアからタムへ移動する
同じ「4・と」の2打を、スネア → ハイタムの順に叩きます。スネアだけのパターンAを安定して叩けるようになってから、打面を替えましょう。
身体を大きくひねるより、スティックの移動距離を小さくすることが重要です。タムに手を伸ばすせいで次の1拍目が遅れる場合は、スネアだけに戻して練習します。
パターンC|4拍目に16分音符を4回
8分音符2打に慣れてから、「4・イ・と・ア」と1拍を4つに分けてスネアを4回叩きます。手順の一例は右・左・右・左です。
16分音符になっても4拍目の長さは同じです。打数を増やしたぶん次の1拍目が遅れないよう、テンポを落として確認してください。
パターンCでリズムが崩れるなら、無理に速く叩かずパターンAに戻ります。速いフィルインを力任せに叩くと、手首に負担がかかりやすくなります。
8ビートにつなげるフィルイン練習の5ステップ
メトロノームを使う場合、まずは拍を追いやすいテンポに設定します。以下のBPMや回数は編集上の練習例であり、上達に必要な決まった数値ではありません。
「1・2・3・4と・1」と数え、4拍目の「4と」だけ2回手を叩きます。次の1が来るまで余分に数えないことを確認します。
まずはゆっくり、4拍目に2打を入れます。右左の交互打ちと音の間隔をそろえましょう。
1〜3拍目は基本の8ビート、4拍目はパターンAに替えます。次の小節の1拍目にバスドラムを置くところまでを一組にして練習します。
4小節をひとまとまりにし、最後の小節の4拍目だけフィルインを入れます。最初の3小節は変化を加えず、切り替え位置を確かめましょう。
スマホなどで録音し、フィルイン直前・直後の拍が均等に聞こえるかチェックします。崩れる場合はテンポを落として同じパターンを練習します。
初心者向け10分練習メニューの例
短い時間でも「ビート → フィルイン → ビート」という一連の動きが確認できるよう、次のように分けます。時間配分は一例なので、安定しない箇所には長めに時間を使ってください。
| 時間 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 2分 | 8ビートのみ | 拍を見失わず続けられる |
| 2分 | 4拍目のスネア2打 | 「4と」が均等に入る |
| 3分 | 1小節ビート+1拍フィルイン | 次の「1」に戻れる |
| 2分 | 4小節の最後にフィルイン | 入る小節を間違えない |
| 1分 | 録音を聴いて確認 | 走り・もたりを見つける |
例としてBPM60前後から始めてもよいでしょう。ただし、60でも忙しく感じるならさらに遅くします。数字を達成するより、拍が均等に続く速さを選びます。
フィルインがうまく入らないときの原因と直し方
| 困っていること | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| フィルインの後にテンポが速くなる | 打数が増えて気持ちが急ぐ | 「4と」の2打に戻し、次の1拍目をメトロノームと合わせる |
| 次の1拍目が遅れる | 4拍目の後に余分な間ができる | 「4と1」を続けて声に出す |
| 何小節目か分からなくなる | 数えることをやめている | 4小節を声に出して数え、最後の小節だけ変化を入れる |
| タムを叩くと止まる | 移動距離が大きい | スネアのみで安定させ、タムを1打だけ追加する |
| 16分音符が不ぞろい | まだ細かい拍をつかめていない | 「4・イ・と・ア」を手拍子で確認し、遅いテンポに戻す |
練習中は「フィルイン自体を間違えた」のか「次のビートへの戻りが遅れた」のかを分けて見ます。戻りだけが不安定なら、フィルイン最後の1拍と次の1拍目を繰り返す練習が効果的です。
次のフィルインへ進んでよい判断基準
新しいパターンを増やす前に、現在の短いフィルインが曲の中で使えるか確認しましょう。
- 4小節のどこにフィルインを入れるか把握できる
- フィルインの前後でテンポが大きく変わらない
- 次の小節の「1」で基本ビートを再開できる
- 打数が増えると数えられなくなる
- フィルイン後に止まってしまう
- タムへの移動で姿勢が崩れる
すべてを完璧にする必要はありませんが、短いフィルインを安定してビートへ戻せることを確かめてから、2拍分のフィルインやタムを増やす練習へ進みましょう。
よくある質問
フィルインは毎小節入れたほうがいい?
いいえ。曲の展開やフレーズに合わせて使うもので、毎小節入れる必要はありません。初心者は4小節または8小節などの区切りを意識すると、入れる位置を考えやすくなります。
電子ドラムや練習パッドでも練習できる?
できます。電子ドラムなら基本ビートとタム移動まで練習できます。パッドだけの場合もスネアの2打や16分音符の均等な打ち方を練習できますが、足と手を組み合わせたビートへの戻りは、実際のセットでも確かめてください。
フィルインを速く叩けるようになるには?
まず遅いテンポで打音をそろえます。力みや打ち間違いがない速さで少しずつテンポを上げ、崩れたら戻します。速さを優先するよりも、拍が正しく続いているかを確かめることが重要です。
まとめ|最初は1拍のフィルインを確実に入れよう
ドラム初心者がフィルインを練習するなら、4分の4拍子の4拍目をスネアの8分音符2打に置き換えるところから始めるのが実践しやすい方法です。
今日の練習では、まずこの短いパターンをゆっくり試してみてください。次の「1」に無理なく戻れるようになったら、スネアからタムへの移動や16分音符に進みましょう。