楽譜やコード譜に「G7」「Cmaj7」「Am7」と書かれていて、普通のG・C・Amとの違いが分からなくなったことはありませんか。セブンスコードは、基本の3音のコードにもう1音を加えた和音です。ただし、「7」が付けばすべて同じ種類になるわけではありません。構成音とコード表記を対応させれば、初めて見るコードも少しずつ自分で読み解けます。
セブンスコード(七の和音)とは、根音・第3音・第5音の三和音に、根音から見て7度に当たる音を重ねた4音の和音です。たとえばG7は「ソ・シ・レ・ファ」、Cmaj7は「ド・ミ・ソ・シ」です。
最初は「C7とCmaj7は別のコード」「G7はGにファを足す」と覚え、実際に鳴らして違いを確かめましょう。コード名の「7」と「maj7」は、7度の音程が異なります。
セブンスコードとは?三和音との違い
基本的なメジャーコードやマイナーコードは、通常、根音(ルート)・第3音・第5音の3音で構成されます。セブンスコードではその上に第7音を加えます。ここでいう「第7音」は、根音から音名を1つずつ数えて7番目に当たる音です。単に一番高い音を足せばよいわけではありません。
| コード | 構成音 | 違い |
|---|---|---|
| G | ソ・シ・レ | メジャー三和音 |
| G7 | ソ・シ・レ・ファ | 短7度の「ファ」を追加 |
| C | ド・ミ・ソ | メジャー三和音 |
| Cmaj7 | ド・ミ・ソ・シ | 長7度の「シ」を追加 |
「三和音の上に音を1つ重ねる」という構造から覚えると、数字と実際の音の関係が見えます。鍵盤では4音を一度に鳴らすだけでなく、低音から順に鳴らしても確認できます。
「7」は「7個の音を弾く」という意味ではありません。基本形は7度の音を含む4音構成です。実際の伴奏では、楽器や場面によって構成音を省略したり、音を並べ替えたりすることもあります。
まず覚えたい4種類のセブンスコード
セブンスコードの種類は、土台となる三和音と、根音から第7音までの音程を組み合わせて決まります。初心者は、次の4つを区別すると多くのコード譜が読みやすくなります。
| 種類と表記例 | 構成音 | 三和音+第7音 |
|---|---|---|
| ドミナント7th C7 | ド・ミ・ソ・シ♭ | 長三和音+短7度 |
| メジャー7th Cmaj7/CM7/C△7 | ド・ミ・ソ・シ | 長三和音+長7度 |
| マイナー7th Cm7 | ド・ミ♭・ソ・シ♭ | 短三和音+短7度 |
| マイナー7th(♭5) Cm7♭5/Cø7 | ド・ミ♭・ソ♭・シ♭ | 減三和音+短7度 |
「C7」は正確にはドミナント・セブンス型の構成を持つコードを指します。コード表記上はC7ですが、どの調のどの場面でも必ず「属和音の役割」を果たすという意味ではありません。コードの種類(音の組み合わせ)と和声上の働きは分けて考えます。
C7とCmaj7は第7音が半音違う
C7は「ド・ミ・ソ・シ♭」、Cmaj7は「ド・ミ・ソ・シ」です。最初の3音は同じで、最後の音だけが異なります。無印の「7」は通常、短7度を足す表記、「maj7」は長7度を足す表記です。
- C7:ドからシ♭までは短7度(半音10個分)
- Cmaj7:ドからシまでは長7度(半音11個分)
- CM7などの略記は譜面によって使われます。大文字Mと小文字mを取り違えないようにします。
Am7はAmに「ソ」を加える
Amは「ラ・ド・ミ」です。Am7はそこに短7度の「ソ」を加え、「ラ・ド・ミ・ソ」になります。mは第3音が短3度であること、7は第7音が短7度であることを表します。両者は別々の情報です。
dim7とm7♭5を混同しない
Cm7♭5は「ド・ミ♭・ソ♭・シ♭」ですが、Cdim7(C°7)は「ド・ミ♭・ソ♭・ラ」(理論上の表記はシのダブルフラット)です。どちらも減三和音を土台としますが、第7音が半音違う別のコードです。初心者の段階では「m7♭5とdim7は同じではない」と整理すれば十分です。
セブンスコードの構成音を自分で求める方法
暗記だけに頼ると、知らないルートが出てきたときに手が止まります。最初はドを基準に仕組みを覚え、次に別の根音へ移す方法がおすすめです。
G7ならG=ソ、Dm7ならD=レが根音です。まず根音の音名を1つ決めます。
G7の土台はG(ソ・シ・レ)、Dm7の土台はDm(レ・ファ・ラ)です。mの有無で第3音が変わることを確認します。
G7は短7度のファ、Dm7は短7度のド、Dmaj7なら長7度のド♯を加えます。「7」か「maj7」かを最後にもう一度見直します。
G7=ソ・シ・レ・ファ、Dm7=レ・ファ・ラ・ド。最初は1音ずつ鳴らしてから和音にし、三和音との差を聴きます。
| 音程 | ドからの音 | 半音の数 |
|---|---|---|
| 短3度/長3度 | ミ♭/ミ | 3/4 |
| 減5度/完全5度 | ソ♭/ソ | 6/7 |
| 減7度/短7度/長7度 | シ♭♭/シ♭/シ | 9/10/11 |
この表はドを根音とした例です。別の根音では、音名を正しく数えながら同じ音程関係を移してください。
セブンスコードをコード進行で使うとどうなる?
セブンスコードの特徴は「響きが複雑になる」ことだけではありません。次の和音へ進むとき、構成音の一部が半音・全音で滑らかにつながる点が実用的です。
G7 → C:緊張から落ち着きへ
ハ長調の代表的な進行に「G7 → C」があります。
- G7:ソ・シ・レ・ファ
- C:ド・ミ・ソ
- G7のシはドへ半音上がり、ファはミへ半音下がる動きを作れます。
この2音の動きによって、Cへ向かう感覚が強まりやすくなります。ただし実際の旋律や声部配置によって進み方は変わり、すべての音が必ずこの形で解決するわけではありません。
Dm7 → G7 → Cmaj7:よく使うつながり
ジャズやポップスなどで見かける例が「Dm7 → G7 → Cmaj7」です。ハ長調で見ると、Ⅱm7 → Ⅴ7 → Ⅰmaj7の進行に当たります。
| コード | 構成音 | 聴くポイント |
|---|---|---|
| Dm7 | レ・ファ・ラ・ド | 次のG7へ向かう準備 |
| G7 | ソ・シ・レ・ファ | シとファの緊張感 |
| Cmaj7 | ド・ミ・ソ・シ | ドを中心とした到着感と長7度の響き |
ピアノなら左手で根音、右手で残りの音を鳴らすと違いを聴き取りやすくなります。ギターやウクレレでは、使える押さえ方を選び、全音を無理に詰め込まずに進行をつないでください。
「セブンスコードなら必ず次へ進みたがる」とは限りません。Cmaj7やAm7のように、穏やかな着地点として使われるコードもあります。種類によって響きと役割が異なると捉えましょう。
ピアノ・ギター・ウクレレでの実際の使い方
ピアノ:三和音に第7音を足して比較する
まずC(ド・ミ・ソ)を鳴らし、シを加えてCmaj7、次にシをシ♭へ下げてC7を作ります。加えた音だけを変えると耳で違いを確かめられます。4音同時が難しければ、2音ずつ分けたり分散和音にしたりして構いません。
ギター:コードフォームと構成音の両方を確認する
GからG7に変えるとき、よく使うオープンフォームでは押さえる場所が変わります。フォームを丸暗記するだけでなく、譜面に載っている各弦の音を調べてG7の「ファ」を含むか確認すると理解が進みます。コードの構成音は複数の弦で重複しても問題ありません。
ウクレレ:4本の弦で和音の特徴をつかむ
ウクレレは4弦なので、セブンスコードの構成音を考えやすい楽器です。ただし、選んだフォームやチューニングによって、各弦で鳴る音の順序は変わります。「4本あるから必ず根音から順番に並んでいる」と考えず、フォームを弾いて響きを確かめることから始めてください。
初心者向け:セブンスコードを覚える練習メニュー
次の練習は取り組みやすさを考えた編集上の一例です。所要時間や上達効果を保証するものではありません。楽器を持たない場合は、鍵盤アプリなどで音を確認できます。
- C → Cmaj7 → C7:最初の3音を同じにして、第7音のシとシ♭を聴き比べる。
- Am → Am7:ラ・ド・ミにソが加わったことを、音名で言いながら弾く。
- G → G7 → C:G7のファとシが、Cのミとドへ近づく感覚を聴く。
- Dm7 → G7 → Cmaj7:コード名を読み上げ、1つずつ音を確認しながらつなぐ。
- 自分で答え合わせ:コード譜を見ずにG7とAm7の構成音を書き、楽器や音名表で確認する。
「C7とCmaj7の違いを音名で説明できる」「G7がソ・シ・レ・ファだと分かる」「G7 → Cの進行をゆっくり弾ける」の3点を確認してください。速さよりも、コード名と実音を一致させることが先です。
よくある間違いと対処法
| つまずき | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| C7を「ド・ミ・ソ・シ」と弾いてしまう | 7とmaj7を混同 | C7の第7音はシ♭と書いて確認する |
| Am7の「m」を見落とす | 三和音の種類を読んでいない | 先にAm(ラ・ド・ミ)を作る |
| 4音全部を押さえられない | フォームが難しい・手が届かない | 分散して弾く、別の転回形や無理のないフォームにする |
| 7thが何のためにあるか分からない | 和音だけを単独で聴いている | G7→Cなどの前後関係で聴く |
| dim7とm7♭5が同じに見える | 第7音の種類を確認していない | 構成音を書き出して半音差を確認する |
たとえばC7の第7音はシではなくシ♭です。コードの構成音を作るときは、音名の順番と音程(半音の数)の両方を確認しましょう。押さえにくさや痛みがある場合は、無理に指を広げずフォームや音の配置を変えてください。
セブンスコードに関するよくある質問
セブンスコードはジャズだけで使うのですか?
いいえ。ジャズだけでなく、ポップス、ロック、ブルース、クラシックなど幅広い音楽で使われます。ただし表記方法や演奏上の扱いはジャンルや譜面によって異なります。
「7」は必ずドミナント7thの意味ですか?
コード記号で根音の後ろに単独の「7」があれば、通常は長三和音に短7度を加えたドミナント7th型を意味します。一方、和声機能としてのドミナント(属和音)になるかは調と進行次第です。
セブンスコードは4音すべて鳴らす必要がありますか?
学習時には4音を確かめると理解が深まりますが、実演奏では一部の構成音を省略する場合があります。たとえば伴奏では第5音を省き、特徴となる第3音と第7音を残すことがあります。省略の可否はコードの種類・編成・楽曲の流れによって判断します。
コード名の「m7」と「maj7」は何が違いますか?
m7はマイナー三和音+短7度、maj7はメジャー三和音+長7度を表すのが基本です。たとえばCm7=ド・ミ♭・ソ・シ♭、Cmaj7=ド・ミ・ソ・シ。名前は似ていますが、三和音も第7音も異なります。
セブンスコードを理解したら何から弾けばよい?
まずはC7とCmaj7の第7音の差を確かめ、その後にG7 → Cをゆっくり弾いてみましょう。音の仕組みが分かると、新しいコードを見ても「何を足すのか」「どこへつながるのか」を自分で考えられるようになります。
セブンスコードは、三和音に7度の音を加えた4音の和音です。最初に区別すべきなのは、C7=ド・ミ・ソ・シ♭とCmaj7=ド・ミ・ソ・シの違いです。
次はG7 → C、慣れたらDm7 → G7 → Cmaj7へ進み、コードを単独の形だけでなく進行の中で使ってみてください。