楽譜で音符の上に「3」や「5」と書かれていると、「音を何回鳴らすの?」「普通の8分音符と何が違うの?」と迷いやすいものです。これは、一定の長さを通常とは異なる数に分ける連符(れんぷ)の記号です。
この記事では、3連符だけでなく5連符なども含めて、連符の記号と音符の長さを読む方法に絞って解説します。3連符を手拍子で実際に取る練習は、別の「3連符」の記事で扱います。
連符は、決められた時間の中に、指定された数の音を均等に収める読み方をします。最もよく出会う3連符では、通常の8分音符2個分の時間に、8分音符3個を均等に演奏する場合があります。
読むときは①数字と音符の種類を確認 → ②何拍分の時間かを確かめる → ③拍を崩さず均等に数える、の順番が基本です。ただし、連符の比率は拍子や音符の種類、楽譜の表記によって異なります。
この記事では3連符を中心に、2連符・5連符などとの違い、音価の考え方、手拍子で確認できる練習方法まで具体例で説明します。
連符とは?数字と括弧の読み方
連符は、通常の音符の分割とは違う数で時間を分けるための記譜法です。音符の上や下に付く数字は、そのまとまりに入る音の数を示します。音符の連桁や括弧と数字が組み合わされることもあります。
- 「3」:3連符。所定の時間を3等分する代表的な形です。
- 「2」:2連符。3つに分けるのが通常の場面で、2つに分けるために使われることがあります。
- 「5」:5連符。指定された時間を5つに分けます。
- 「6」:6連符。6つの音をひとまとまりとして示します。
連符の数字はテンポの数字でも小節番号でもありません。どの音符をひとまとまりにするかを表す数字です。連桁・括弧の範囲も一緒に見ましょう。
最初に覚える8分音符の3連符
4分の4拍子で4分音符1個を「1拍」と数える場合、通常の8分音符は1拍に2個入ります。一方、8分音符の3連符は、1拍に3個を均等に入れるのが基本的な例です。
| 書かれ方 | 1拍の分け方 | 数え方の例 |
|---|---|---|
| 4分音符1個 | 1拍をそのまま使う | タン |
| 8分音符2個 | 1拍を2等分 | タ・タ |
| 8分音符3連符 | 1拍を3等分 | タ・タ・タ |
| 16分音符4個 | 1拍を4等分 | タ・タ・タ・タ |
4分の4拍子で「1、2、3、4」と手をたたきながら、最初は各拍に2音、次に3音を入れてみましょう。3連符になっても拍の始まりの位置とテンポは変えません。
「3」と書かれた音符は、全部で何拍になる?
よく使う3連符の形では、同じ長さの音符を3個、通常の2個分の時間に収めます。例えば次のように考えます。
- 8分音符の3連符:8分音符2個分=4分音符1個分(4分の4拍子では1拍)。
- 4分音符の3連符:4分音符2個分(4分の4拍子では2拍)の間に3音。
- 16分音符の3連符:16分音符2個分=8分音符1個分の間に3音。
つまり「3つの音だから必ず1拍」ではありません。数字だけでなく音符の種類を見て、連符全体が占める時間を先に決めることが大切です。
拍と3連符を同時に数えるコツ
拍を一定に保ち、「イチ・ト・サ」「ニ・ト・サ」など3音節を各拍に当てると、速くなりすぎるのを防げます。最初は声だけで3つの位置を感じ、慣れたら声に合わせて手をたたきましょう。
拍:1 2 3 4
各拍の中:イチ・ト・サ / ニ・ト・サ / サン・ト・サ / シ・ト・サ
大切なのは言葉の種類ではなく、各拍の3つの間隔と、次の拍へ移る時間が等しいことです。
2連符・5連符・6連符はどう読む?
連符には3連符以外にも種類があります。どれも「指定された時間を等しく分ける」という基本は同じですが、何音分の時間に収めるかは楽譜によって確認が必要です。
| 種類 | 考え方 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 2連符 | 通常3等分する長さを2等分する例が多い | 6/8拍子などの複合拍子でよく使われる |
| 3連符 | 通常2つに分ける時間を3等分する例が多い | 8分音符3連符と4分音符3連符の長さは違う |
| 5連符 | 指定の時間を5等分する | 通常の4音分か6音分かなどを記譜・文脈で確かめる |
| 6連符 | 指定の時間を6等分する | 6音のまとまりと、3連符を2組並べた形のアクセントの違いにも注意 |
特に5連符や7連符などは、「5つなら必ず4つ分の長さ」と一律には決められません。必要に応じて「5:4」のように、連符の音数と通常の音数を両方示す記譜もあります。
6/8拍子の2連符の例
6/8拍子で付点4分音符を1拍と感じると、通常はその1拍を8分音符3個に分けます。そこに8分音符の2連符が書かれていれば、8分音符3個分の時間に2音を均等に配置するのが代表的な読み方です。
4/4拍子の8分音符3連符と逆の関係だと考えると、2連符を理解しやすくなります。ただし実際には拍子と記譜の指示を優先してください。
連符に休符や違う長さの音符が混ざっていたら?
連符の中には、音符だけでなく休符が入ったり、一部の音符が長く書かれたりすることがあります。その場合も、連符全体に割り当てられた時間は変わりません。
- 休符が入る:その位置では音を出さず、時間だけを正確に保つ。
- 長い音符が入る:連符の基準となる細かい時間単位を何個使うかを数える。
- タイで音がつながる:結ばれた音は弾き直さず、長さを合計して伸ばす。
例えば、8分音符3連符の中で「8分音符1個+8分休符1個+8分音符1個」なら、3等分した1つ目と3つ目で音を出し、真ん中は休みます。休みの場所で拍を止めないようにしましょう。
連符の数字は、各音符に個別に足す拍数ではありません。また、付点音符の点は音符の長さを増やす記号で、3連符の数字「3」とは役割が異なります。
連符を正確に演奏するための練習手順
最初から楽器を使うより、手拍子で時間の配分をつかんでから音にすると、拍のずれを見つけやすくなります。以下の回数は練習メニューの一例で、上達を保証するものではありません。
メトロノームや自分の声に合わせ、4分の4拍子で「1、2、3、4」と均等に数えます。まず拍の位置が動かないようにします。
各拍の間で「タ・タ」と2等分し、8分音符の感覚を確認します。拍の頭だけをやや意識してみましょう。
テンポを変えず、「タ・タ・タ」と3等分します。3音を無理に詰め込んで次の拍を早めないことがポイントです。
「2個→3個→2個→3個」を繰り返します。切り替えた直後の拍が速くなったり遅くなったりしないか、録音して確かめます。
簡単な楽譜で3連符を含む1~2小節を選び、声で数えてから楽器で演奏します。音程より先に、拍の位置が合っているかを確認します。
連符がうまく読めないときの原因と直し方
| 起きていること | 考えられる原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 3音を入れるとテンポが速くなる | 3音の間隔ではなく音数だけを追っている | 拍の頭を別の手で打ち続け、1拍の長さを固定する |
| 3連符が「長い・短い」に偏る | 通常の8分音符の感覚が残っている | 声で3音節を均等に言ってから手拍子に移る |
| 3連符の終わりで次の拍が遅れる | 3音目の後に余分な間を置いている | 3音の間隔と、次拍の頭までの間隔を同じにする |
| 数字「3」を見ても何拍かわからない | 音符の種類を見落としている | 8分・4分・16分のどの連符かを先に確認する |
| 5連符の長さが判断できない | 数字だけで通常音符との比率を決めようとしている | 括弧の範囲と「5:4」等の比率、拍子と周囲のリズムを確認する |
- 同じテンポで1拍を2等分できる
- 声に出して1拍を3等分し、次の拍の頭に戻れる
- 8分音符2個でも拍の頭がずれる
- 連符の数字だけを見て、全体の拍数を確かめていない
連符の読み方でよくある質問
3連符は「タタタ」と速く弾けばよいですか?
速さだけを意識するのは不十分です。3連符は指定された時間を3等分することが目的です。拍の長さを保ち、3音の間隔をそろえて演奏します。
3連符はいつも1拍ですか?
いいえ。4/4拍子では8分音符の3連符は一般に1拍ですが、4分音符の3連符は一般に2拍です。音符の種類と拍子を確認してください。
連符の括弧がなくても連符になりますか?
なります。連桁でまとまった音符に数字だけを添える表記があります。数字がどの音符にかかっているかを確認しましょう。
連符は「数字・音符の種類・全体の長さ」の順に読む
連符の読み方は、単に数字の数だけ速く音を出すことではありません。通常とは異なる分け方で、決められた時間を均等に使うことが基本です。
初めて見る連符は、数字だけで判断せず、音符の種類、括弧の範囲、必要なら比率表記まで確認してください。そこまで読めれば、演奏前にリズムの長さを整理できます。