コード譜に「Cadd9」や「Gadd9」と書かれていて、「普通のCやGと何が違うのか」「9という数字は9個の音を弾く意味なのか」と戸惑うことがあります。add9は、基本の三和音を覚えた人が次に出会いやすいコードの一つです。
add9(アド・ナインス)は、基本の三和音に「9度」の音を加えたコードです。たとえばCadd9=ド・ミ・ソ・レ。C(ド・ミ・ソ)にレを足します。
「9」は音の数ではなく、ルートから見た音程の名前です。また、Cadd9とC9は同じではありません。add9では通常、7度の音を加えません。
構成音の数え方、add9と9・sus2との違い、ピアノやギターでの使い方を、実際に音を確かめられる形で説明します。
add9コードの意味|三和音に9度を足す
「add」は英語の「加える」です。「9」はルート(根音)から数えて9度に当たる音を指します。したがってadd9は、もとのメジャーまたはマイナーの三和音の構成音を残したまま、9度の音を追加する考え方です。
| コード | 構成音 | 違い |
|---|---|---|
| C | ド・ミ・ソ(C・E・G) | 基本のメジャー三和音 |
| Cadd9 | ド・ミ・ソ・レ(C・E・G・D) | Cに9度のレを追加 |
| Cm | ド・ミ♭・ソ(C・E♭・G) | 基本のマイナー三和音 |
| Cm(add9) | ド・ミ♭・ソ・レ(C・E♭・G・D) | Cmに9度のレを追加 |
コードの響きは、同時に鳴らす音の高さ・配置・楽器によって変わりますが、add9は一般に三和音へ広がりや彩りを添えるときに使われます。単純に「明るいコード」「おしゃれなコード」と決めつけず、元の三和音との違いを耳で比べると理解しやすくなります。
add9にしたからといって、元の第3音を消すわけではありません。Cadd9ならミを残し、そこへレを足すのが重要です。
「9度」はどの音? Cadd9で数えてみよう
ドから数えると、9度は高いレ
音程を度数で数えるときは、始点の音を「1」として数えます。ドを出発点にすると、次のようになります。
| 度数 | 音名 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1度 | ド | ルート |
| 3度 | ミ | Cがメジャーであることを決める音 |
| 5度 | ソ | 三和音の第5音 |
| 8度 | 高いド | ルートの1オクターブ上 |
| 9度 | 高いレ | add9で加える音 |
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レと数えると、最後のレが9番目です。「9」の表記は、このようにオクターブを越えて度数を数えた呼び方です。標準的なadd9の「9」は長9度で、ルートから14半音上の音程に当たります。
同じレでも低い位置で鳴らしてよい?
はい。コードの構成音としては、9度の音を1オクターブ下げたレ(ルートより長2度上に当たる音)を用いる配置も可能です。ただし、隣接する音が密集すると響きが強くぶつかることがあるため、初心者はまず高いレを足して違いを聴くとよいでしょう。
つまり、add9という名前は構成音の種類を示し、すべての楽器で押さえる位置や音の並び順まで一つに固定するものではありません。
add9・9・sus2は何が違う?
混同しやすいのが「Cadd9」「C9」「Csus2」です。いずれもレを含められますが、ミとシ♭を含むかどうかが大きな違いになります。
| 表記 | 基本の構成音 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| C | ド・ミ・ソ | 三和音のみ |
| Cadd9 | ド・ミ・ソ・レ | 第3音ミを残し、レを足す。7度は通常含めない |
| C9 | ド・ミ・ソ・シ♭・レ | 属9の和音。短7度のシ♭も含む |
| Cmaj9 | ド・ミ・ソ・シ・レ | 長7度のシを含む |
| Csus2 | ド・レ・ソ | 第3音ミの代わりにレを使う |
一般的なコード表記では、C9には短7度のシ♭が含まれます。鍵盤などで音を確かめるときは、Cadd9にシ♭を足すとC9の基本構成音になる、と比べてください。実際の伴奏では5度などを省略する場合がありますが、コード名の理論上の構成音とは区別しましょう。
add9とsus2を見分ける最短の方法
- Cadd9:ミ(第3音)がある。ド・ミ・ソにレを追加する。
- Csus2:ミ(第3音)がない。ド・ミ・ソのミをレに置き換える。
名前の中の「add」は足す、「sus」は第3音を別の音に置き換えるという違いを覚えると、似た表記を読み分けやすくなります。
よく使うadd9コードの構成音一覧
まずはよく出会うメジャーadd9を、ルート・第3音・第5音・第9音の順に確認しましょう。実際の演奏では、これらの音を違う順番やオクターブで配置する場合があります。
| コード | 三和音 | 加える9度 | 最終的な構成音 |
|---|---|---|---|
| Cadd9 | C・E・G | D | C・E・G・D |
| Dadd9 | D・F♯・A | E | D・F♯・A・E |
| Eadd9 | E・G♯・B | F♯ | E・G♯・B・F♯ |
| Fadd9 | F・A・C | G | F・A・C・G |
| Gadd9 | G・B・D | A | G・B・D・A |
| Aadd9 | A・C♯・E | B | A・C♯・E・B |
たとえばGadd9を見たら、まずGの三和音「ソ・シ・レ」を考え、そこに「ラ」を追加します。アルファベットを暗記するより「元の三和音+9度」と分解できることが大切です。
add9コードをピアノで弾く方法
鍵盤があれば、構成音の違いを目で見て確かめられます。まずCadd9から試してください。
右手でド・ミ・ソを同時に押し、Cの響きを確認します。最初から速く弾く必要はありません。
ド・ミ・ソを残したまま、ソより高いレを加えてみましょう。指の配置が窮屈なら、左手でド、右手でミ・ソ・レを弾いても構いません。
「ド・ミ・ソ」→「ド・ミ・ソ・レ」と切り替えます。レを追加したことでどのような変化が聴こえるか、音量を大きく変えずに比べます。
鍵盤に慣れたら、レをミより低くする配置なども試します。構成音は同じでも響きが変わることを確認しましょう。
編集上の練習例として、CとCadd9を各数回ゆっくり交互に鳴らし、次にGとGadd9で同じことをしてみましょう。回数は上達を保証するものではありません。無理なく音の違いを聴き取れるペースで十分です。
ギターでadd9コードを使うときの考え方
ギターでは、開放弦を活用してadd9の響きを作ることがあります。ただし、押さえ方は複数あり、コード名だけで特定のフォームが一つに決まるわけではありません。
Cadd9の押さえ方の一例
標準チューニング(6弦からE・A・D・G・B・E)なら、次のような押さえ方でCadd9の構成音を鳴らせます。
| 弦 | 押さえる位置 | 鳴る音 |
|---|---|---|
| 6弦 | 弾かない | ― |
| 5弦 | 3フレット | C(ド) |
| 4弦 | 2フレット | E(ミ) |
| 3弦 | 開放弦 | G(ソ) |
| 2弦 | 3フレット | D(レ) |
| 1弦 | 開放弦 | E(ミ) |
6弦を鳴らさず、5弦から1弦を弾くフォームです。構成音はC・E・G・Dで、Eが重複していても問題ありません。
コードフォームを変えたときの確認
- ルートと第3音が、想定したメジャー/マイナーの和音になっているか。
- 加える9度の音が含まれているか。
- 不要な弦が鳴っていないか、各音がきれいに響くか。
- フォームを変えても、コードの構成音の意味を見失っていないか。
指が届きにくいフォームを無理に押さえる必要はありません。痛みが出る押さえ方は避け、弾きやすい配置を選んでください。
add9コードはどんな場面で使う?
add9は、基本の三和音の性格を保ちながら響きを少し変えたい場面で試しやすいコードです。ただし、楽譜に指定されている場合はその指定を優先し、アレンジで置き換える場合はメロディーとの相性を確かめましょう。
まず三和音と9度の音がそろうように弾きます。フォームの形だけでなく、どの音を追加したか確認します。
CとCadd9、GとGadd9を弾き比べます。メロディーの音と過度にぶつからず、曲の雰囲気に合うか耳で判断します。
全員が同じ9度を同じ音域で重ねる必要はありません。担当パートで音域や配置を調整し、ベース音と第3音が聴こえるか確認します。
add9コードでよくある間違いと直し方
| つまずき | 確認・対処方法 |
|---|---|
| 「9個の音を鳴らす」と思う | 9は度数。基本形は三和音に1音を追加した4種類の音で考える |
| C9とCadd9を同じにする | C9にはシ♭が加わる。コード名の「add」を確認する |
| 第3音を消してしまう | ミを残せばCadd9、ミをレに置き換えるとCsus2になる |
| 9度は必ず最上声に置くと思う | 音の配置は変えられる。ただし響きの密集による濁りには注意する |
| どんな曲にもadd9を足す | メロディーやほかのパートと合わせ、響きが合う場面だけ採用する |
迷ったときは、①元の三和音を挙げる → ②9度の音を特定する → ③第3音を残して追加するという順番に戻ると整理できます。
add9コードを覚えるなら、まず何をすればよい?
最初はコードをいくつも暗記する必要はありません。Cadd9の4音を理解し、次にGadd9やDadd9で同じ計算をできるようにしましょう。
add9コードは、三和音に長9度の音を足したコードです。Cadd9ならC(ド・ミ・ソ)にD(レ)を足し、C9とは違って通常は7度を含めません。
次はG(ソ・シ・レ)にラを加えてGadd9を作り、同じ原理が別のルートでも使えることを確認してください。